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飲み込みにくいお年寄りが食べやすくなる食事のコツや工夫
高齢者は脳卒中の後遺症で麻痺があったり、手術をしている、口に炎症があるなどが原因で飲み込みにくい物が噛めないといった食事のトラブルが起こることがあります。
このページでは飲み込みにくいお年寄りがどうやったら食べやすくなるかについてみていきたいと思います。
嚥下障害は口に取り入れた食べ物や水などが飲み込めなくなることでごっくんとすることができなくなることです。
嚥下困難になると食べ物や飲み物が食道ではなく、肺の方に入ってしまったり喉に詰めてしまったりなど誤嚥を起こすことがあります。
嚥下障害が起こる原因
- 食事をする時の姿勢が原因
- 口に入れるタイミングがまずい
- 食事の形態が合っていない
その1.食事をする時の姿勢が原因
まず考えられるのが食事をする時に、体が後ろに傾きすぎているというところです。
もちろん寝たままでは食べられませんが、ベッドで半分上半身を起こした状態で食べるときや、車椅子にのせて食べてもらう時、食事の専用の椅子に座って食べてもらう時でも、体が後ろの方にもたれかかっていると飲み込みが非常に悪くなります。
これは実際にやってみると分かりやすいのですが、私たちは普通を食べる時少し前かがみになって物を食べています。それの方が飲み込みやすくなります。
ですので、高齢者が誤嚥をよく起こしてしまう場合は、椅子や車椅子の後ろにタオルを入れて体が少し前かがみになるようにしたり、クッションを当てたり座布団で調節したりして前かがみになってもらうようにします。
その2.口に運ぶタイミングや運び方
次に注意したいのが口に運ぶタイミングです。
食事を始める時はまず水分や汁物などを飲んでもらいます。
熱いものは火傷をするので冷ましてから食べてもらいます。
食べやすいものから順に口に運びます。
スプーンに盛るときは2/3ぐらいに盛り付けて山盛りにしないようにします。
飲み込んでいるか確認してからゆっくりと口に運びます。
口に運ぶ方法
まずスプーンを口の先にちょっと当てて口を開けてくれるかチェックします。
口を開けてくれたらスプーンと口が直角になるようにします。
そして口の状態を見ながらゆっくりとスプーンを唇の下に触れさせ、あまり奥に突っ込みすぎないようにして入れます。
スプーンを入れるのは半分ぐらいで、上唇にスプーンがつくように直角に持ち上げて口の中に滑り込ませます。
水を飲ませる時のタイミング・方法
水を飲む時は誤嚥をしやすくなりますので注意が必要です。
まずしっかりと起き上がってコップを持ち上げて口より高い位置に持って行かないようにします。口の下から入れるようにします。
下唇の真ん中にコップを触れて呼吸が整っているかをチェックします。
呼吸が整ったら徐々にコップを傾けて口の中に入れます。
飲み込む量に応じて水を注ぎ1回目が飲み終わるまで待ちます。
注意点は口の横から水を入れないこと、唇の真ん中にコップを当てるようにして飲んでもらうのが一番飲みやすいです。
その3.食事の形態が合っていない
嚥下障害を起こしてしまう原因として食事の形が合っていないこともあります。
食事の形は普通の固さの食事なのか、小さく切った食事か、ソフト状に仕上がっているかムース状に作られているかなど。どんな食事の形態がお年寄りに適切かどうかはこの図で判断することができます。
1段階目は普通食が食べられる方
2段階目は硬いものが食べにくい方
3段階目は小さく刻むと食べられる方
4段階目はゼリー状にしないと食べられない方
5段階目が嚥下の訓練をしないと食べるのが危険だという方
です。
1段階目の食事
1段階目の食事は家族と同じ食事が食べられる方同じ食事が食べられますが、脂っこいものになりすぎないなど高齢者に合わせた食事を作るようにします。
2段階目の食事
2段階目は歯の調子や胃の調子などが悪く食事を柔らかく作ったり油っこいものを控えるなど少し注意が必要な場合です。
3段階目の食事
3段階目の食事は口が乾燥して飲み込みにくかったり、大きいものが食べられなくて細かく刻まないと食べられない場合、細かく刻むだけでは飲み込みにくいのでゼリーで固めたりするのことで飲み込みやすくなります。
4段階食事
4段階目の食事は食欲がほとんどなく時間をかけないと食べられない方や、細かく刻んだだけでは食べられない方、ソフト状の食事にしたり、ムース食にすることで食べられるようになります。
5段階目の食事
5段階目は食べるとすぐに誤嚥を起こしてむせたり喉につまらせてしまう場合です。
このような場合は水であっても飲み込むのは危険で管理栄養士さんやお医者さんに相談した方がいいです。
飲み込みが悪くむせやすい時の口の体操
飲み込みが悪くてすぐにむせたり咳き込んだりしてしまう場合は、口の体操や舌の体操をすることで食べやすくなることがあります。
まず口輪筋の運動をします。
口の周りの筋肉をマッサージして耳下腺や舌下腺のマッサージをして唾液がよく分泌されるようにします。
その次に口を開けたり閉じたりしてもらい自分の名前をいってもらったり大きく口を開けたりして口の体操をしてもらいます。
次に舌の運動をします。
脳卒中の後遺症などで舌がもつれたりしている場合は、舌を前に伸ばしたり右や左に運動させたり下をぐるぐると回すことで舌のトレーニングができます。
そうすることで飲み込みやすくなります。
出典:高齢者の介護「食べさせ術」田中弥生著